「この集計、関数で書けるはずなんだけど思い出せない」で検索に飛ぶ時間を、消します。
対象は、Excel や Google スプレッドシートで、やりたいことは言葉にできるのに関数の書き方が出てこない人。SUMIF だっけ SUMIFS だっけ、で手が止まる——そこを、日本語で説明して関数を作ってもらい、その関数が正しいかを自分で検算するところまでをセットにします。
このレシピは「関数を出してもらう」だけでは終わりません。AI が出す関数は、それらしく間違っていることがあるからです。検算の手順までやって、はじめて完成です。
使うもの
ChatGPT か Claude のような対話型 AI を1つと、Excel か Google スプレッドシート。関数の方言(同じことをする関数でも名前や区切り文字が違う)があるので、どちらを使うかを AI に必ず伝えます。
手順
1. やりたいことと、表の形を日本語で説明する
Google スプレッドシートで使える関数を教えてください。
# やりたいこと
A列に日付、B列に担当者名、C列に金額が入っています。
「担当者が "佐藤" で、かつ 4月の行」だけの金額の合計を出したい。
# 条件
- 使うのは Google スプレッドシート(Excel ではない)
- 関数を1つ提示し、各引数が何を指すかを1行ずつ日本語で説明
- わたしの列名(A,B,C)に合わせて、そのまま貼れる形で書く
- 動かないときに疑うポイントも2つだけ挙げる
「Excel ではない」と明示するのが地味に効きます。これを書かないと、AI が両者の混ざった関数を出すことがあります。
2. 出てきた関数を、いきなり本番データに使わない
ここがこのレシピの中心です。返ってきた関数を、まず答えが分かっている小さなデータで試します。
3. 検算用の小さな表を作る
3〜4行だけの、自分で合計を暗算できる表を作ります。例:
| A(日付) | B(担当) | C(金額) |
|---|---|---|
| 4/2 | 佐藤 | 100 |
| 4/9 | 田中 | 200 |
| 4/10 | 佐藤 | 300 |
| 5/1 | 佐藤 | 400 |
このとき「佐藤 かつ 4月」の正解は、手で数えて 100 + 300 = 400 です。AI の関数をこの表に当てて、400 が返れば関数は正しい。違う数字が出たら、その関数は本番データでも間違っています。条件(5/1の佐藤を含めていないか、など)を AI に伝えて直してもらいます。
4. 正しいと確認できてから、本番データに広げる
検算を通った関数だけを、実際の表に適用します。範囲(A2:A100 など)を自分のデータ件数に合わせるのを忘れずに。
このレシピは、こういう場合には向きません
- 検算をしたくない場合:このレシピは検算が本体です。検算を飛ばして AI の関数をそのまま本番に使うと、間違った集計に気づかないまま資料に載るという、いちばん危険な失敗が起きます。急いでいるときほど、3行の検算表を作ってください。
- 個人情報・機密データそのものを貼りたい場合:AI に渡すのは「列の構成」と「やりたいこと」だけで十分です。実データそのもの(顧客名や金額の中身)を貼る必要はありません。構成だけ伝えて関数を受け取り、データは自分の手元のシートで動かしてください。
- 関数では本来やるべきでない処理:何重にもネストした巨大な関数を AI が出してきたら、それはピボットテーブルや別の方法が適している合図かもしれません。「この処理、関数以外の方法はありますか」と聞き返すと、より素直なやり方が見つかることがあります。
検証手順(あなたの環境で本当に効くか)
- 過去に自分が手で作った集計を1つ選び、その「やりたいこと」だけを日本語で AI に説明する。
- 出てきた関数を、手順3の検算表で確かめる。正解の数字が返るか。
- 検算を通った関数を、元の集計に当てて、自分が手で出した結果と一致するかを確認する。一致すれば、このレシピはあなたの作業に使えます。
- 関数を思い出す・調べるのにかかっていた時間と比べると、効果が見えます。
関数の仕様や対応はツールのバージョンで変わります。Google スプレッドシートと Excel では同じ目的の関数でも書き方が違うので、どちらを使うかを毎回 AI に伝えるのを習慣にしてください。