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「合計を勝手に作らない」と頼んだのに、AIが内訳を足した記録

誰向け: レシート、請求書、申込書などから金額を転記・整理する人

動作確認あり2026.10.02 に てらく編集部が動作・検証を確認しました。
検証環境と注意

検証環境:本文のコピペ用プロンプトに見本の入力を入れ、claude-sonnet-5-5, gpt-5.5 の2つの AI で実際に動かし、合計欄のない帳票を、原資料どおりの転記表(合計は「原資料に記載なし」)と、「AI算出の参考値」と明記した加算結果の別表、の2段階に分けて出力するが両方の AI で返ることを確かめました(2026-10-02・API 経由)。お手元の入力では結果が変わることがあります。各ツールの最新の仕様は公式でご確認ください。(両方の AI の出力で実際に確かめた点:合計欄の不在を明記し、計算値をAI算出の参考値として区別している/2段階(転記/参考計算)に分けて出している/明細を転記し、第2段階で明細だけを加算した値を出している/第1段階と第2段階を表で出している)

ツールの仕様は変わります。お使いになる前に各ツールの公式の最新情報をご確認ください。

この記事は、複数の AI が書いて互いに点検し、公開前の確認を通したものです。本文のコピペ用プロンプトは、2つの AI(claude-sonnet-5-5 / gpt-5.5)で実際に動かし、想定どおりの結果が返ることを確かめています(確かめた日と環境は上に書いてあります。試したのは見本の入力なので、お手元の入力では結果が変わることがあります)。煽らない・盛らない・できないことはできないと書く。これが、このサイトの編集方針です。

お題:AIに「合計を勝手に作らない」よう指示したのに失敗した実例と、その見分け方・修正依頼の言い回しを検証日・使用モデルを明記して正直に記録するレシピ記事


誰向け: レシート、請求書、申込書などから金額を転記・整理する人——記事の作業を机の上の物で表した挿絵

「合計を勝手に作らない」と頼んだのに、AIが内訳を足した記録

見分け方と、出力を直す依頼文の書き方

誰向け: レシート、請求書、申込書などから金額を転記・整理する人
できるようになること: AIが「記載された合計」と「内訳から計算した値」を混同した出力を見つけ、修正依頼できる
所要時間: 8〜15分(既存のAI出力を確認する場合)

AIに「合計は勝手に作らないでください」と書いても、合計欄が空の書類にある金額を足し、もっともらしい合計を埋めることがあります。

ここでは、紙のレシートを扱った既存記事の監査で確認された失敗を記録します。重要なのは、AIが算数を間違えたことではありません。書類に書かれていない値を、計算結果として補ってしまったことです。

本稿は、再実行ログを新たに取得した検証記事ではありません。元の記事に残された出力と編集監査の記録を、2026-10-02に確認して整理したものです。実行時のモデル名と元の検証日は記録から確認できなかったため、不明として扱います。


検証記録

項目記録内容
確認日2026-10-02
確認者編集チーム
使用モデル不明(元記事・監査記録にモデル識別子の記載なし)
元の実行日不明
確認対象紙のレシートを読み取る記事に掲載されたAI出力
判定「合計を推測で埋めない」という意図に反し、内訳から690円を計算して出力していた
再現性の扱い同一モデル・同一設定での再実行はしていない。以下は掲載済み出力の監査記録である

起きたこと:合計欄がないレシートから「690円」を作った

対象になったレシートには、次のような内訳がありました。

品目金額
商品A210円
商品B260円
商品C220円
合計欄記載なし

依頼の意図は、「書類に合計が印字されていなければ、合計を推測で埋めない」ことでした。

しかし、掲載されていたAI出力は、内訳を足して次のように扱っていました。

合計:690円

210円、260円、220円を足すと690円です。計算自体は合っています。

ただし、元のレシートには「合計 690円」という記載がありません。値引き、税、端数処理、返品、複数ページの可能性などを考えると、内訳だけで支払総額を確定させるのは適切でない場面があります。

この出力で問題なのは、次の二つを区別していない点です。

  • 書類に記載された合計
  • AIが内訳から計算した参考値

前者として出すと、原資料にあった事実のように見えます。後者として出すなら、計算したこと、計算の根拠、書類上の合計ではないことを明示する必要があります。


まず見る場所:「合計」という言葉だけでは判断しない

AIの出力に「合計」「総額」「支払額」「請求額」が出てきたら、元資料と照らし合わせます。

次の分岐で確認すると、見落としを減らせます。

┌────────────────────┐
│ 1. 原資料に合計欄があるか │
└─────────┬──────────┘
          │
    ┌─────┴─────┐
    │ ある          │ ない
    ▼              ▼
┌──────────────┐  ┌────────────────────┐
│ 金額を正確に転記 │  │ AI出力に金額の確定値があるか │
└──────────────┘  └─────────┬──────────┘
                             │
                       ┌─────┴─────┐
                       │ ある          │ ない
                       ▼              ▼
             ┌────────────────┐  ┌────────────────┐
             │ 内訳を足していないか │  │ 「不明」と明記か │
             └────────┬───────┘  └────────────────┘
                      │
             ┌────────┴────────┐
             │ 足している             │ 足していない
             ▼                       ▼
┌────────────────────────┐  ┌────────────────────┐
│ 「計算値」か「記載値」かを確認 │  │ 読み取り不能箇所も確認 │
└────────────────────────┘  └────────────────────┘

要注意の表現

次の表現があり、原資料に対応する記載がなければ、補完が入っている可能性があります。

出力上の表現確認すること
合計:○円原資料に合計欄があるか
支払額:○円現金・カード・値引き・税の記載を見落としていないか
総額:○円明細の単純合算ではないか
請求額:○円消費税、調整額、前月繰越が含まれる帳票ではないか
合計を算出しました算出を頼んだのか、転記だけを頼んだのか
推定合計:○円推定が業務上許容される用途か

「推定」と書いてあればよい、とは限りません。経費精算、請求処理、帳簿入力などでは、推定値そのものを入力欄に残さないほうが扱いやすい場合があります。


なぜ「勝手に作らない」と書いても起きるのか

指示文に禁止事項があっても、AIは入力された数値群を表形式に整える過程で、合計欄を補う方向に寄ることがあります。特に、次の条件が重なると注意が必要です。

  1. 入力に複数の金額がある
  2. 出力形式に「合計」列や「総額」欄がある
  3. 「見やすく整理して」と依頼している
  4. 合計欄が空欄のときの処理を決めていない
  5. 「転記」と「計算」を同じ依頼文で扱っている

「合計を作らない」という一文だけでは、AI側が「計算欄としてなら埋めてよい」と解釈する余地が残ります。

依頼文では、禁止する行為だけでなく、合計欄が存在しないときに何を出すかを指定します。


修正依頼は、「消してください」より処理ルールを渡す

すでにAIが合計を作ってしまった場合、次のように依頼します。

出力を修正してください。

原資料に「合計」として印字・記載されていない金額は、
内訳を加算していても「合計」欄に記載しないでください。

今回の690円は、原資料上の合計ではなく、
210円・260円・220円から計算した値です。
そのため、合計欄は「原資料に記載なし」に修正してください。

計算値を残す必要がある場合は、
「参考計算値(AI算出、原資料の記載ではない):690円」
のように、原資料の記載値と区別した欄に出してください。

短く直すなら、次の形でも使えます。

「合計:690円」を削除し、「原資料に合計の記載なし」にしてください。
内訳の加算結果は、原資料記載の合計として扱わないでください。

修正後に目指す出力例

項目値根拠
商品A210円原資料に記載
商品B260円原資料に記載
商品C220円原資料に記載
合計原資料に記載なし合計欄を確認できない
参考計算値690円210円+260円+220円。原資料の合計ではない

業務上、計算値が不要なら、「参考計算値」の行も出さない指定にします。


次回から使える依頼文:転記用と計算用を分ける

一つの依頼に「読み取り」「転記」「計算」「確認」を詰め込むと、出力の境界が曖昧になります。実務では、転記用と計算用を分ける方法があります。

1. 原資料の転記だけを依頼する場合

この画像から、見えている文字と数字だけを転記してください。

ルール:
- 原資料に書かれていない金額・日付・店名・合計は補わない
- 明細を加算して合計を作らない
- 判読できない箇所は推測せず「判読不能」と書く
- 合計欄が見当たらない場合は「合計:原資料に記載なし」と書く
- 出力の各項目に「原資料に記載」か「判読不能」かを付ける

2. 計算も必要な場合

次の処理を2段階に分けてください。

第1段階:原資料の転記
- 見えている文字と数字だけを転記する
- 合計欄がなければ「原資料に記載なし」とする
- 推測・補完・加算はしない

第2段階:参考計算
- 第1段階で転記した明細だけを加算する
- 計算結果には「AI算出の参考値」と付ける
- この値を原資料上の合計、支払額、請求額として表記しない

第1段階と第2段階を別の表で出してください。

ここでは、計算そのものを禁止していません。代わりに、原資料の事実と計算結果を別の場所に置くよう指定しています。


出力後の確認は、4つだけでよい

AI出力を受け取ったら、次の順で確認します。

原資料を開く
   ↓
出力中の「合計・総額・支払額」を探す
   ↓
その金額が原資料のどこにあるか照合する
   ↓
見つからなければ「計算値」または「推定値」が混ざっていると判断する
   ↓
記載値と計算値を分けるよう修正依頼する

チェック項目は以下です。

  • 合計欄は原資料に実在するか
  • 出力の合計額は、原資料上の表記と一致するか
  • 内訳を足しただけの値が、合計として出ていないか
  • 値引き、税、手数料、預り金、返品などを無視していないか
  • 読めない箇所を「不明」ではなく、もっともらしい値で埋めていないか
  • 計算値を使うなら、「原資料記載ではない」と分かる表示になっているか

このケースから残す運用メモ

今回確認した失敗は、「合計を作らない」という方針が、出力上で守られていなかったケースです。

一方で、この記録だけから、特定のモデル、特定の設定、またはすべての帳票読み取りで同じ挙動が起きるとは判断できません。元の実行日、モデル名、画像、プロンプト全文、生成設定が揃っていないためです。

ただし、次の運用はモデルにかかわらず採用しやすいものです。

作業取り扱い
原資料にある値転記値として出す
原資料にない値原則として空欄・記載なし・判読不能にする
内訳からの加算必要な場合だけ参考計算値として別表示にする
合計欄がない帳票「合計:原資料に記載なし」とする
AI出力の確認金額の正しさだけでなく、値の出所を確認する

AIが出した690円が算数として正しくても、それが原資料の合計を意味するとは限りません。帳票を扱うときは、「数字が合うか」に加えて、「その数字はどこから来たか」を確認するのが、修正依頼の出発点になります。