このレシピ(手順)は絆チーム(複数 AI+管理者)の協議と内部監査ゲート(律 charter・独立監査・収益ストッパー)を経て、本文のコピペ用プロンプトを2モデル(claude-sonnet-4-6 / gpt-5.5)に実投し、想定どおりの出力が返ることを確認済みです(検証日・検証環境は上部に明記。サンプル入力での確認=実際のあなたの入力では結果が変わりえます)。煽らない・盛らない・できない事は言う——絆の編集方針です。
お題:職場の複数ファイルにまたがる連絡事項を AI で一覧化する:「どこに書いたか探す」を減らす社内情報整理レシピ
誰向け: 社内の連絡事項がメール・チャット・会議メモなど複数ファイルに散らばっており、探す手間を減らしたい人
何ができるようになる: AIに複数ファイルの本文を渡し、出典と原文抜粋つきの連絡事項一覧表を作れるようになる(内容の最終確認は人が行う前提)
所要時間: 目安30〜60分(対象を1案件・1週間分・4ファイル前後に絞った場合)
社内の連絡事項は、ひとつの場所にまとまっているとは限りません。
メールに依頼があり、チャットに補足があり、会議メモに決定事項があり、共有フォルダの資料に期限が書かれている。あとから確認しようとすると、「たしか誰かがどこかに書いていた」という状態になりがちです。
このレシピでは、複数ファイルに散らばった連絡事項を AI に読み取らせ、一覧表に整理する方法を扱います。目的は、AI に判断を任せることではなく、探す範囲を狭めることです。
このレシピで作るもの
作るのは、次のような一覧表です。
| 日付 | 発信者 | 関係者 | 連絡事項 | 期限 | 状態 | 出典ファイル | 原文抜粋 | 確認メモ |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 7/3 | 田中さん | 営業部、制作部 | 提案資料の初稿を7/8までに共有 | 7/8 | 未確認 | meeting_0703.txt | 「初稿は8日中に営業へ」 | 期限表現を要確認 |
| 7/4 | 佐藤さん | 制作部 | ロゴ差し替え版を使用 | 不明 | 確認済み | chat_0704.txt | 「以後は差し替え版でお願いします」 | ファイル名確認済み |
ここで大事なのは、「連絡事項だけを要約する」のではなく、出典ファイルと原文抜粋を一緒に残すことです。AI のまとめだけを見ると、あとで確認できなくなります。
向いているケース、向いていないケース
この方法が向いているのは、次のような場面です。
- メール、チャット、議事録、メモが分散している
- 案件ごとの決定事項や依頼事項を拾いたい
- 期限や担当者の抜け漏れを確認したい
- 過去数日〜数週間分の連絡を棚卸ししたい
一方で、次の用途には向きません。
- 法務・人事・契約など、原文の厳密な解釈が必要な確認
- 機密情報を、会社で許可されていない AI サービスに入力する作業
- AI の出力だけを根拠に、担当者や期限を確定する運用
- 数百ファイルを一度に処理して、完全な台帳を作る用途
社内ルール上、外部 AI に入力できない情報がある場合は、社内で承認された環境だけを使ってください。個人情報、顧客名、契約条件、未公開情報が含まれる場合は、事前にマスキングするか、対象から外す判断が必要です。
用意するファイル
対象にするファイルは、いきなり広げすぎない方が扱いやすいです。最初の範囲は、1案件・1週間分くらいが目安です。
例として、次のようなファイルを使います。
- メール本文をコピーしたテキストファイル
- チャットの該当スレッドをコピーしたテキストファイル
- 会議メモ
- 共有ドキュメントの更新メモ
- 担当者が手元で残した作業メモ
ファイル名には、日付と種類を入れておくと、あとで出典を追いやすくなります。
例:
2026-07-01_mail_clientA.txt
2026-07-02_chat_projectA.txt
2026-07-03_meeting_projectA.txt
2026-07-04_memo_projectA.txt
ファイル名があいまいだと、AI が出典を返してくれても人間側で確認しにくくなります。
整理前に決めておく項目
AI に渡す前に、一覧表の列を決めます。ここを曖昧にすると、出力が「それっぽい要約」に寄りやすくなります。
おすすめの列は次の通りです。
| 列名 | 役割 |
|---|---|
| 日付 | 連絡または記録された日 |
| 発信者 | 誰が言ったか、誰が書いたか |
| 関係者 | 対応者、確認者、影響を受ける人 |
| 連絡事項 | 依頼、決定、変更、注意点など |
| 期限 | 明記されている場合のみ記載 |
| 状態 | 未確認、確認済み、要確認など |
| 出典ファイル | どのファイルから拾ったか |
| 原文抜粋 | 判断の根拠になる短い引用 |
| 確認メモ | 人が確認した内容や疑問点 |
「期限」は、書かれていない場合に AI が補ってしまうことがあります。そのため、「明記されていない場合は不明と書く」と指定しておくと安全です。
コピペ用プロンプト
以下は、複数ファイルの内容を貼り付けて使うためのプロンプトです。ファイル数が多い場合は、数ファイルずつ処理してから統合します。
あなたは社内連絡事項を整理する補助者です。
以下に複数ファイルの本文を貼ります。
目的:
複数ファイルにまたがる連絡事項を一覧表にしてください。
判断を確定するのではなく、あとで人が確認しやすい形に整理してください。
抽出したいもの:
- 依頼事項
- 決定事項
- 変更点
- 期限
- 担当者や関係者
- 注意事項
- 未確認の論点
出力形式:
Markdown の表で出力してください。
列は以下にしてください。
1. 日付
2. 発信者
3. 関係者
4. 連絡事項
5. 期限
6. 状態
7. 出典ファイル
8. 原文抜粋
9. 確認メモ
ルール:
- 出典ファイル名を必ず書いてください。
- 原文抜粋は、判断根拠になる短い引用にしてください。
- 期限が明記されていない場合は「不明」と書いてください。
- 推測で担当者や期限を補わないでください。
- 同じ内容が複数ファイルにある場合は、重複をまとめ、出典を複数書いてください。
- 意味があいまいなものは、状態を「要確認」にしてください。
- 連絡事項ではない雑談やあいさつは除外してください。
以下が対象ファイルです。
【ファイル名:2026-07-01_mail_projectA.txt】
(ここに本文を貼る)
【ファイル名:2026-07-02_chat_projectA.txt】
(ここに本文を貼る)
【ファイル名:2026-07-03_meeting_projectA.txt】
(ここに本文を貼る)
ファイルが多いときの分け方
AI に一度に入れる量が多すぎると、抜け漏れや混同が起きやすくなります。大量のファイルを扱う場合は、次のように分けると確認しやすくなります。
- 日付ごとに分ける
- 案件ごとに分ける
- メール、チャット、会議メモなど種類ごとに分ける
- 5〜10ファイルずつ処理する
分割して出した表は、あとから統合します。そのときは、次のプロンプトを使えます。
以下は、同じ案件について複数回に分けて作成した連絡事項一覧です。
重複を整理し、1つの一覧表に統合してください。
統合時のルール:
- 同じ連絡事項は1行にまとめてください。
- 出典ファイルが複数ある場合は、すべて残してください。
- 内容が似ていても、期限や担当者が異なる場合は別行にしてください。
- 矛盾がある場合は、状態を「要確認」にしてください。
- 原文抜粋は、確認に役立つものを残してください。
- AI の推測で内容を補わないでください。
出力形式:
日付 / 発信者 / 関係者 / 連絡事項 / 期限 / 状態 / 出典ファイル / 原文抜粋 / 確認メモ
以下が統合対象です。
(ここに複数の表を貼る)
出力された表の見方
AI が作った一覧表は、完成版ではなく確認用の下書きとして扱います。特に見るべきなのは、次の4点です。
1. 出典ファイルが入っているか
出典が空欄の行は、そのまま使いにくいです。AI がどこから拾ったのか分からないため、確認できません。
出典がない行が出たら、次のように聞き返します。
出典ファイルが空欄の行について、根拠となるファイル名と原文抜粋を示してください。
根拠が見つからない場合は、その行を削除候補として示してください。
2. 原文抜粋が短く残っているか
原文抜粋が長すぎると、表が読みにくくなります。逆に短すぎると、判断根拠になりません。
目安としては、1〜2文程度です。依頼や期限が含まれる部分だけ残すと確認しやすくなります。
3. 期限が推測で入っていないか
「来週」「月曜まで」「なるべく早く」などの表現は、文脈によって意味が変わります。AI が日付に変換している場合は、原文と照らし合わせます。
たとえば、7月3日の会議メモに「来週月曜まで」とある場合、7月6日なのか、会議日を基準にした別の日なのかを人が確認する必要があります。
4. 「確認済み」と「要確認」が混ざっていないか
状態欄は、あとで作業するときに効きます。
例:
- 確認済み:原文と照合し、担当者や期限に問題がない
- 要確認:表現があいまい、関係者が不明、複数資料で内容が違う
- 未確認:AI 出力後、まだ人が確認していない
AI に最初から「確認済み」と書かせると紛らわしい場合があります。運用上は、初回出力の状態をすべて「未確認」にして、人が見たものだけ変更する方が分かりやすいです。
よくある失敗と直し方
失敗1:要約がきれいだが、出典が追えない
連絡事項の文章だけ整っていても、どこに書いてあったか分からなければ社内では使いにくいです。
直し方:
各行に、根拠となる出典ファイル名と原文抜粋を追加してください。
根拠がない行は「根拠不明」としてください。
失敗2:雑談や背景説明まで拾いすぎる
チャットを入れると、あいさつ、相づち、相談途中の発言まで拾われることがあります。
直し方:
一覧表から、依頼・決定・変更・期限・担当者に関係しない行を除外してください。
判断に迷うものは削除せず、状態を「要確認」にしてください。
失敗3:同じ連絡事項が何行も出る
メール、チャット、会議メモに同じ内容が出てくると、重複行が増えます。
直し方:
同じ意味の連絡事項を統合してください。
ただし、期限・担当者・内容に差がある場合は別行として残してください。
統合した行には、出典ファイルを複数記載してください。
失敗4:AI が担当者を補ってしまう
「営業側で確認」などの表現から、AI が特定の人名を入れてしまうことがあります。
直し方:
原文に明記されていない担当者名を削除してください。
部署名だけが書かれている場合は部署名のままにし、個人名を推測しないでください。
表をスプレッドシートに移す
一覧表ができたら、スプレッドシートに貼り付けると運用しやすくなります。
列は、AI の出力と同じで構いません。追加するなら、次の列があると便利です。
| 追加列 | 用途 |
|---|---|
| 確認者 | 誰が原文を確認したか |
| 確認日 | いつ確認したか |
| 対応状況 | 未着手、対応中、完了など |
| 関連リンク | 元ファイルやチケットへのリンク |
社内で使う場合は、「AI が作った一覧」と「人が確認した一覧」を分けておくと、後から見た人が状態を判断しやすくなります。
小さく試す例
いきなり部署全体の連絡を整理するより、1案件・1週間分で試す方が現実的です。
例:
- 対象:A案件
- 期間:7月1日〜7月5日
- ファイル:メール2件、チャットログ1件、会議メモ1件
- 目的:期限つきの依頼と決定事項を拾う
- 出力:10〜20行程度の一覧表
このくらいの範囲なら、AI の出力を人が原文と照合できます。照合できる量で試すことが、業務に入れる前の確認になります。
社内で使うときの注意点
AI による一覧化は、探す手間を減らす補助にはなります。ただし、社内の正式な記録として使うには注意が必要です。
特に、次のような情報は扱いを分けます。
- 顧客名
- 個人情報
- 契約金額
- 人事評価
- 未公開の業績情報
- セキュリティに関わる情報
- 社外秘の資料
会社で許可されていない AI サービスに、そのまま貼り付けない運用が必要です。使える範囲は、社内ルールや情報管理部門の方針に合わせます。
また、AI は文章の抜き出しや整理を助けますが、発言の意図、社内の背景、決定の優先順位までは読み切れないことがあります。似た表現を同じ意味としてまとめたり、あいまいな期限を日付に変えたりする場合もあります。
そのため、一覧化したあとに確認する役割は人に残ります